書斎の扉---守護聖ジュリアス様の日記より
中村モンド

某月某日

・・・愛しいオスカーと、ついに夜を共にするようになってからすぐに、私はあの者との間に二つのルールを定めた。
一つには、昼の間は二人ともに職務をだんじて離れぬこと。我らは女王陛下に忠誠を誓った守護聖なれば、職務への怠慢は許されるべきではない。
聖殿が機能する昼の間は、我らの身も心もまさに女王陛下のものであるべきで・・・私がねんを押すと、あの者は笑っていたが、私は剣にかけて誓わせた。

そして、もう一つは、館への出入りのことだ。
オスカーは私の館へ、いつなりと訪れても良いが、出入りするのはかならず書斎の扉からとするように約束させた。
中庭に続くあの扉からならば、館で仕える者たちに見とがめられる心配はまったいないうえ、ごく小さな・・・内側からかけられる錠がついている。
もし・・・錠がおりていたら、その夜は逢瀬には都合が悪いというサインと思うようにと、オスカーには言っておいた。
個人として必要なプライバシーを守る用意であるが、それよりも私にとっては、これはオスカーへの面目を保つ意味が大きいのだ。

なにしろ、このような仲となるにあたっては、いささか・・・その、オスカーにばかり主導権をとられているような気がしてならない。私はあの者の上司であり、年長の筆頭守護聖でさえあるのだから・・・最初に手ごわいところも見せておかねばしめしがつかぬ!
正直な本心を言えば、今宵すぐにでもオスカーとはまた逢いたいくらいなのだから、どうせ使うはずもない鍵とわかってはいる。
だが、なんといっても筆頭守護聖は筆頭でなければならないのだ・・・。